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アイアンマン

2009年03月20日 18:42

MARVEL産アメコミが原作の、ヒーローものアクション。巨大軍事企業の社長であり、スゴ腕発明家である主人公トニー・スターク。ある事件がきっかけで、自らアイアンスーツを開発し、それを着て悪と戦うアイアンマンとなるのだった。
・・・「悪と戦う」ってところは、今作に関しては微妙に語弊があるのだが、そのへんはあまり書くとネタバレするので、とりあえずいかにもな無難な書き方にしておきます。本当はもっとすったもんだあるのよ。言っちゃったらつまんなくなりそうだから書かないけど。詳しくは本編を観ろ!

そんなわけで、ちょっと書くだけでネタバレしそうなぐらい、プロットがちゃんと出来ている。どんでん返しもバッチリ。126分とこの手の映画にしては長尺だが、それを感じさせないぐらい飽きずに楽しめるところは凄い。
この作品はアイアンマンがいかにして生まれたかという、バットマンで言う「バットマン・ビギンズ」のような位置づけ。なので、実際にアイアンマンが大活躍ー!するのは多分次作からと言った雰囲気がむんむん。なのでみんなが楽しみにしているアイアンマンが大暴れなシーンは意外と少なく、そこを期待したら物足りないかもしれない。ただし、アイアンマンが生まれる過程はとても丁寧に描かれており、また、とてもユニーク。最近のヒーローものラッシュのなかでは、まず当たりと言って間違いない。

とにかく面白いのが、アイアンマンの正体はおっさんだってこと。おっさんですよ?普通シャイな青年だったりして、それがまたヒーローとしての自分との葛藤などで思い悩んだりするのに、おっさんは至って単純明快。自分の信念(?)でもってまっしぐら。とにかくそれを貫き通すために独りでチマチマアイアンスーツつくる。おっさん、頭いい!そんでもってとうとう飛行成功!おっさん、空を飛ぶ!もう、これだけで必見です。ロバート・ダウニーJrはかなりハマり役だと思う。
またその主人公のキャラクターも良くて、軍事企業の社長なだけあって、女遊びは大好きだし、ギャンブルはやるし、だけど台詞も何事もスマートで、なんだか今までの典型的なヒーロー像とのギャップが凄い。バットマンの正体も金持ちの御曹司だけど、優等生タイプのあちらとは対照的。悪そうなおっさん好きの自分としては、かなり好きなキャラクターだったことは間違いないです。「ハンコック」でもそうだったけど、必ずしも現実世界で優等生タイプがヒーローである必要なんてないんだよね。

また、基本全てが科学の力でつくられ、超常的要素が(一応)全くないため、メカニックの描写が多いのだが、そのへんのデザインが秀逸。特にトニーが自室でアイアンスーツを製作する際の、ホログラムのインタフェイスは目新しかった。もちろんアイアンマンそのものもほぼフルCGなんだろうが違和感なし。人が乗り物に頼らず空を飛ぶ、その感じも妙にリアルに出ていて良い。

ともあれこれでアイアンマンの生まれる過程はじっくりわかったわけだから、次回からいよいよ本領発揮ってことか。次回が楽しみ。エンドクレジットのあとに伏線のようなオマケがついているので、エンドクレジットで止めないよう注意!

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スピード・レーサー

2009年03月17日 22:06

まず最初に謝っておきます。ゴメンナサイ、完全にナメてました。面白かったです。
予告編を観る限り、毒々しい原色のモロCGベタベタな映像と、子ども騙しのような嘘くさい世界観とで、「絶対これ酷い出来だろうな」と勝手に想像していた。でも「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟の監督の新作だし、一応、念のため、観るだけ観ておこう、と。そしたら予想外に面白くてビックリ。全く期待しないで観たせいもあるとは思うけど。

日本の昔のアニメ「マッハGoGoGo」(タツノコプロ制作)をかなり忠実に実写映画化した作品。若き天才レーサー、スピード・レーサー(←これ名前だから!)が、レース界の裏に潜む陰謀に立ち向かうため、家族や仲間と力を合わせて過酷なレースに挑戦してゆく姿を描く。

と、まずここで先に言っておきたいのが、自分、この「マッハGoGoGo」が原作だって知らなくて観ました。しかも原作の「マッハGoGoGo」も、主題歌ぐらいはなんとなく聞いたことあるけど、全然観たことなく、内容もサッパリ知りませんでした。最後のエンドクレジットで、これが原作だと初めて知り、後から調べたらキャラクターデザインやマシンデザインなど、かなり原作に忠実なことがわかり、たぶんこの原作アニメを好きだった人なら相当楽しいんだろうなあ、と思った。でも何も知らなかった自分でも充分楽しめたので、それはそれで、よく考えたら結構凄いことなんじゃないかと。だってこんな異色の、オタクっぽさ全開の映画が、一見さんでも充分楽しめる出来になっていることってあんまりない。そこはさすがウォシャウスキー兄弟というか、エンタテイメントのツボをしっかり心得てらっしゃる。
オタクっぽさ全開で好き勝手やってるのに、何故かしっかりしたエンタテイメントとして万人受けする出来に仕上がっているというのは、傾向は違えど「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンを彷彿とさせた。そうかそうか、ウォシャウスキー兄弟はこれが撮りたくて「マトリックス」シリーズをつくったのね。そんな監督の猛烈な愛を感じさせる。異端な見た目のせい(?)で日本ではあまりヒットしなかったが、これこそ日本でこそ観て欲しい作品なんじゃないか。日本への愛を込めたオマージュが超大量に入っているよ!あくまでオタク的にだけど・・・ 笑

最初、(ある意味想像通りではあるが)原色バッキバキのCGバッキバキの、つくりものめいた世界観に面食らうも、観続けていると徐々に慣れ、すぐに気にならなくなった。確かにレースシーンなど、CGだらけで実写なのかアニメなのか訳がわからなくなるシーンは多々あれど、全てがそのテイストで統一され、ブレがないため「そういった世界」であるとすぐ許容できてしまう。例えばあくまでリアルな映像に合成されたCGがちゃっちいときは「あーあ、やっちゃった」的痛さしか感じないが、全てがちゃっちく非現実的なこの映画では、逆にそういうものだと思えてしまうから不思議だ。そしてもはや、「映画」なのか「アニメ」なのか「コミック」なのかの境界すら曖昧になり、そこを納得できたとき俄然面白くなってくる。「映画」だと思い込んではいけない。これは「新しい何か」なのだ。この感じは「シン・シティ」や「トランスフォーマー」を観たときに感じたものに通じるものがある。

それでも物語の大半を占める苛烈なレースシーンなどはしっかりハラハラドキドキさせ、あくまでエンタテイメントとしての質は保たれている。かと思えば「ニンジャ」や日本風のギャグなど日本オタクで有名な監督のやりたい放題を随所に感じることができ、なんとも贅沢なつくり。日本の少年少女なら、昔子どもの頃にTVアニメを観て妄想したであろうシーンが、映像としてビジュアル化されているのを観たときには笑った。監督はまるで日本の子どもみたいだ。

自分のように、TVアニメや漫画を見て育った「典型的な日本のオタク」世代ならば、それを海の向こうから愛し、ふんだんにお金をかけて映像化してしまったこの作品を楽しめない筈がない。何故なら何か、嬉しい気持ちにさせられるから。自分たちの基盤となっているものを、国や文化は違えど好きなんだよー!という監督のメッセージを強く感じることができるからだ。自分の好きなものを好きと言ってくれる人を嫌える筈がない。
ただし、特にアニメや漫画に興味がなく、オタク要素が皆無な人には、ただのギラギラCGの子ども騙しのヘンテコ映画になってしまうかもしれない。結局、監督が愛する物を共有できる人でないとその面白さは真に感じられないだろう。そういう意味では「オタク映画」であることは間違いないので、まあ、オタクじゃない人は観てもつまらないかもね。

最後のエンドクレジットの主題歌も、原作アニメの主題歌をラップ調にアレンジしていてかっこいい。サントラ欲しいぐらい。あとサル可愛い。エンドクレジットのサル必見(可愛いから)。

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ミスト

2009年03月17日 00:44

ホラー小説界の鬼才スティーブン・キングの原作を、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」などキング原作の映画化では定評のあるフランク・ダラボンが監督したホラー。

田舎町を猛烈な嵐が襲った翌日、人々でごった返すスーパーマーケットに買い出しに来た主人公デイビッド親子。突然外は濃い霧に覆われ、一人の老人が血相を変えてマーケットに駆け込んでくる。「霧の中の何かに襲われた!」騒然とする店内。霧の中にいる「何か」に怯え、人々は濃い霧の立ち込めるなか、マーケットの中から出られなくなってしまう。

最初は、何だかわからないものに翻弄される人々の、サスペンス・スリラー的ものかと思っていたら、「何か」の正体は意外とすぐわかり(わかるというわけではないんだけど、少なくとも姿は見えて)、ああ、なんだ、よくあるB級パニックホラーもの?と思っていたら違かった。とにかく重い。そしてエンディングが悲惨すぎる。とりあえず気分が暗いときにはあまり観ないほうがいいかも。小さな子どもがいる親も観ないほうがいい。親子で観るなんてもってのほか。
もちろんベースとしてはホラーなので、大したことないけど(←個人的には)グロ描写もややあるので、そうゆうのが無理な人はやめておいたほうがいい。本当に大したことないけど(←個人的には)。直截的なグロ描写なんかより、人間の心理描写のほうがよっぽど恐ろしく、リアルに描かれている映画だと自分は感じたから。

衝撃的なラストのせいで、好みは真っ二つに分かれる作品だと思う。本当に嫌いな人は嫌いだろうし、この作品そのものに嫌悪感すら抱くだろう。その気持ちもわからなくもない。まあ、そのほうが正しい感覚だ。ただ、自分は結構好きだった。
この作品のテーマは、ある意味ありがちな「一番怖いのは人間」というふうに受け取られがちだが、自分は「人間の愚かさ」がテーマだと思った。作中に登場するキ○ガイ女(笑)の、聖書を引用した台詞からもそう受け取れる。結局人間は愚かで、自分たちの想像を超える何かに対面したとき、大勢集まっていても大した力も持てず、むしろ自分たちで些細な諍いから潰しあう。ある意味とても救いようのない話だが、その人間の負の部分を存分に描き、そして衝撃のラストシーンで言い切った、その説得力ゆえの映画の力はすさまじい。テーマは暗く、決して迎合できるものではないが、それを描ききったという点ではとても評価したい。その一点が、これを、ただのB級ホラーではなく完成されたひとつの作品へ昇華させている。(まあ原作は巨匠キングではあるけれど、ラストは監督の創作らしいので。しかもキングが絶賛したとか)

また、作中ほぼBGMが皆無で、クローズアップや手持ちカメラを多用したカメラワークはその場の緊迫感や不穏な雰囲気を存分に描き出している。一言で言えば、上手い。そして結構好み。CGはややちゃっちいけど、まあなんとか許容範囲。なんかこの脚本の結末が問題視されて大きいスタジオでつくれず低予算ゆえだからだそうな。まあ、わからなくもないけど、不憫な話・・・。

霧の中から何かがやってくる、といったホラーと言えば、ジョン・カーペンターの「ザ・フォッグ」や、「サイレント・ヒル」なんかが思い浮かぶけど、古典ホラーの「ザ・フォッグ」や、オカルトじみた「サイレント・ヒル」に比べると、こちらはもっとリアル路線な感じ。霧そのものより、その場の人々の感情に重点が置かれている。霧の感じは「サイレント・ヒル」に似てたけど。
後味の悪いラストが嫌で、普通のホラーが観たいなら「サイレント・ヒル」がおすすめ。直截的な描写はあっちのほうがグロいけど!(個人的トラウマシーンあり)

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ゾンビーノ

2009年03月15日 02:33

50年代アメリカで、核への脅威と畏敬の念から想像(創造)された、架空の核戦争後のパラレルワールドが舞台。メカのような要素がほぼ皆無なのを除けば、テイストとしてはいわゆるレトロ・フューチャーものである。
核爆発による放射能汚染で、死人が蘇りゾンビと化して歩き回るようになった。人類vsゾンビの、「ゾンビ戦争」が勃発したなか、偉大なるゾムコン社がゾンビにつける首輪を開発。その首輪をつければ、ゾンビの人肉を食べたいという欲求を抑え、従順なペット(というより召使い?)として手なずけることができる。そして世界は隔離された安全な街と、その外のゾーンと呼ばれる危険なエリアとに分断され、人々は街の中でゾンビを飼い(?)ながら平和に暮らしているのだった。

と、のっけからなんだかダイナミックな書き方をしてしまいましたが、これは映画の冒頭で一気に説明されるもので、作品の内容自体は平和な50年代テイスト溢れる街での少年とゾンビの心温まるハートフルストーリーです。ううむ、自分で書いてて意味がわからん。とにかく終始ほのぼのしてます。

この世界ではゾンビを飼うことが一種のステイタスらしく、主人公のいじめられっこ少年ティミーの家にも、見栄っ張りのママ(またキャリー・アン・モス!「ディスタービア」といい、お母さん役ばっかりやり過ぎだから!)のたっての願いでとうとうゾンビがやってきた。ソンビに「ファイド」(この映画の原題)と名づけ、徐々に心通わせるゾンビとティミー。そこに色々ハプニングが起きて・・・。みたいな、もう、至って普通のお話です。そう、普通過ぎる。この物語の大前提である「ゾンビを飼う」という概念を除けば。

この作品の大前提な「ソンビを飼う」という概念はブラックジョークに溢れていてとっても面白い。だけどなんだか物足りない。むしろ若干途中でダレ気味。何故なら、そこを除けば全てがありがちで、容易に想像できる内容でしかないからだ。
随所にゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロのオマージュのような雰囲気を匂わせたり、ティミーに「ゾンビは生きているの?死んでいるの?」と、思わせぶりな発言をさせていたりするのに、そこに関しての掘り下げは一切ない。せっかく「ゾンビを飼う」という面白い設定をしているにも関わらず、面白いポイントはその設定だけで、内容には全く絡んで来ない。観ていて「これゾンビじゃなくて犬とかでも成立するよね・・・」とか思ってしまった(厳密には成立しないけど)。

例えばロメロのオマージュを匂わせるのなら、ロメロが終始ゾンビ映画のテーマとして掲げる「殺生」について、更に裏返したようなブラックジョークを入れて欲しかったし、ティミーに思わせぶりな発言を冒頭からさせるなら、そこについてのきちんとした答えが欲しい。少年とゾンビが和気藹々としているのは、最初は観ていて面白いが、それだけで終わってしまっては観ているこっちが困ってしまうというもの。せっかく犬ではなくゾンビなのだから、ゾンビならではの観客の裏をかいたような演出が欲しい。でなければ犬と少年の心温まるハートフルストーリーとなんら変わらないではないか。そんなのディズニーに任せとけ。

そもそもこの映画を観るという時点で、相当のゾンビ映画ファンか物好きかに限定されるのだから、その辺りの「コアなファン」のニーズに応えるような内容にしなくては駄目だと思う。内容は至って心温まる普通のお話です、でもゾンビが人を食いちぎるシーンもあります、じゃ、一体どんな観客層が観て楽しめるというのか。自分が単純に「コアなファン」に含まれるせいかもしれないが、とにかく何の仕掛けやどんでん返しもなく、全てが予想通りの範疇のまま終わったときには、正直ガックリきた。設定が興味深いだけに残念だ。

本当のブラックジョークやしょうもなさ、くだらなさから来る面白さというのは、つくり手側の本気度で変わってくると思う。つくり手側が本気でやっている熱が伝わって来れば来るほど、「こいつこんなしょうもねーことに本気だよ」みたいな面白さが、自然と伝わってきて笑えるというもの。今作にはそれが足りない気がする。設定が既に面白いから、あとは普通にやってても面白いよね、という、悪く言えば手抜き感が伝わってきて、結果としてあまり笑えるシーンもない。もう少し工夫や観客に向けてのサービス心があればずっと良くなっただろうに。もったいない作品。

ちなみに、ゲームの話ですが最近までやっていた「Fallout 3」というゲームの設定が、この映画の設定と酷似していて(ゾンビではなく、50年代アメリカテイストの核戦争後の崩壊した世界という点)、冒頭のゾムコン社のプロモーションムービーなんかこのゲームのトレイラーとテイストがソックリで、なんだか最初そのゲームのことばかり考えてしまった。そっちは完全なレトロフューチャーもので、放射能入りのコーラ的飲み物「ヌカ・コーラ」(ヌカ=ニューク=放射能)が出て来たりと、ブラックジョークという点では完全に上を行っていた。まあゲームと映画は違いますけど。興味がある方は公式サイトの「映像」から「予告編ムービー Part2」というやつを観てみるとよろし。

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僕らのミライへ逆回転

2009年03月10日 18:32

邦題がヒドイが、原題はBE KIND REWIND、「巻き戻してください」。レンタルビデオ屋のキャッチフレーズだ。
田舎町のレンタルビデオ屋(今どきDVDでもなく、VHS!)で働くマイクと、その近所で廃品回収の仕事をしているジェリー。ひょんなことからマイクの働くビデオ店のテープの中身が全て消えてしまい、それをごまかすために2人は自分たちで無理矢理、名作のリメイク(?)を撮影し始めるのだが・・・。

監督はMVの鬼才、ミシェル・ゴンドリー。実はこの人の監督映画って「ヒューマン・ネイチュア」しか観ておらず、個人的には「MV界の凄いヒト」な印象のほうが強い。そんなミシェル・ゴンドリーなだけあって、随所にゴンドリーらしいアナログチックな映像の遊びが散りばめられている。ワンカットで流れるように様々な映画の撮影シーンを見せていったりとか。あれ?でもこれ以前MVでも見たような。

この映画のテーマはズバリ「映画」。しかも、名作(ゴーストバスターズとか)を素人2人がリメイクするわけだから、そのパロディ的な要素を面白がれないと、まず楽しめない。つまり、「映画」についての「映画好き」に向けた映画なのだ。だから入り口の敷居がまず、ちょっと高め。結構な「映画マニア」でないと楽しめないというのは、「映画」の映画なのにどうなのだろう?映画はマニア向けのものではなく、あくまで大衆向けのものではないのか?

また、主役となるおバカコンビ2人がメインで進んでゆくお話の筈なのに、全く2人に感情移入できない。一言で言えば2人の心情描写がお粗末。2人のヘンテコさばかりが引き立ち、実際のところどういう人物なのかが、イマイチ最後まで掴めなかった。
それに付け加えて、おバカでヘンテコな(ある意味ゴンドリーらしい)前半のノリと、後半からいきなり感動させるほうへの落差が激しすぎて、完全について行けず、感動する筈のラストもサッパリ感動できない。

「映画」についての映画ならば、まずその作品そのものが映画として成立していないと駄目なのではないか?映画とは人物とその感情が動かすもので、どんな下手な映画でも、登場人物に感情移入できた時点でそれなりに楽しくなる。その大前提がおざなりで、ひたすら「映画」についての問いかけや、監督の考えばかり提示されてもダレてしまう。正直自分も途中でかなり飽きてしまった。
結論を言えば、計算的な、理屈っぽさばかりが目立つ。もちろんそれもある程度は必要だろうけど、やっぱり一番大切なのは感情などの、計算できない感覚的な何かなのではないか。そこが抜け落ちてしまっている以上、幾ら映画について興味深い考えが示唆されている作品であろうと、自分は評価できない。

ただ、観る人によってはとっても興味深い作品になることは間違いない。映画好きを自認する、もしくはつくり手側の人間は観たほうがいいかもしれない。個人的な評価は★★だが、観る人によって印象が全く異なると思うので、とりあえず★★★。

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