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ヘルボーイ ゴールデン・アーミー

2009年06月01日 00:33

異界から召還された角の生えた真っ赤な赤ん坊、ヘルボーイ。彼を保護し育てあげたブルーム教授率いるアメリカの極秘組織・超常現象捜査防衛局(B.P.R.D.)のメンバーとして、仲間とともに極秘の任務にあたるヘルボーイの、新たな活躍を描くシリーズ第2作目。

遥か昔、エルフと人間との戦いのなかで、エルフの王の命令でつくられたゴールデン・アーミー(黄金軍団)。しかし、その強大さと冷徹さに、エルフの王は自らゴールデン・アーミーを封印し、それを復活させる力をもつ王冠を3つに分けて、2つはエルフに、1つを人間に預ける。しかし現代、その王冠の1つが何者かによって奪われるという事件が起き、その捜査にヘルボーイや半魚人のエイブ、発火能力を持つリズなどB.P.R.D.のメンバーがあたることになる。

原作はマイク・ミニョーラのアメコミ。ただし、この原作、他のバットマンやスーパーマン、スパイダーマンなどと違って、かなりアート色の強いシリーズだ。タッチはどちらかというと「シン・シティ」に近い。また、ラブクラフトのクトゥルー神話や、その他オカルトの、それもかなりディープな要素をふんだんに含んでいるため、そういった一種マニア向けの趣がある(ちなみに自分はそこまで詳しくありません)。
そんな、キャラクターのビジュアルの突飛さにしてはディープな世界観を持つ本作だが、原作を比較的忠実に映像化した前作と違い、今作は完全にオリジナル作品となっている。そのため、オカルト要素を比較的排除した、どちらかといえばファンタジー寄りの、誰にでも楽しめる一流の娯楽作として仕上がっている。もちろん、原作を読んでいたり前作を観ていたりして、ヘルボーイの世界観をある程度理解していれば、より一層楽しめることは確かだ。

監督は前作に引き続きギレルモ・デル・トロ。「パンズ・ラビリンス」の衝撃もまだ新しい、メキシコ出身の監督だ。ちなみに「パンズ・ラビリンス」は間違いなく傑作なので必見。ゴシック・ビザール調のホラーを得意とする監督だが、その映像の耽美的美しさは他に類を見ない。しかも、しっかりとしたエンタテイメントとして遊びのあるなかで、その映像美を共存させてしまうのだから凄い。
今シリーズも同様で、テンポよく笑いやアクションを織り交ぜつつ、ところどころにハッとするような造形の美しさがある。特にクリーチャーの造形は独特で、何ともいえない不気味さと美しさ、そして愛嬌をそなえ、デル・トロ美のファンならそれだけでお腹いっぱいだろう。トロール市場のシーンなどは、隅々までずっと観ていたいぐらい楽しい。
デル・トロの造形として特筆すべきなのは、あまりCGなどに頼らず、極力特殊メイクでまかなっていることだ。そのため、一昔前の着ぐるみのようなチープさと、生身の人間が演じる生々しさがあり、何とも独特の雰囲気になっている。そもそも主人公のヘルボーイや相方のエイブなど、メインキャラクターが極彩色の特殊メイクバリバリなので、最初観たときは最近珍しいそのチープさに度肝を抜かれるかもしれないが、何故か徐々に慣れていくから不思議だ。ひとつには、全てがそういった雰囲気で統一され隙がないこと、そしてそういった異形のものたちのほうがより人間らしく描かれているからだろう。このへんに、監督の「異形への愛」を感じてならない。(ちなみに「異形への愛」といえばティム・バートンだけど、そっちとはまた違った「異形」感なんだよなー)

また、このシリーズの一番の魅力は、それぞれのキャラクターの強烈な個性だろう。葉巻をくゆらせかっこつけているけど中身は子どもな「子どもおじさん」ヘルボーイと、知的で憎めないエイブ、そしてそんなヘルボーイとの関係を、唯一見た目は普通の人間として育んでゆくリズ。そして、今作から登場する指揮官ヨハン・クラウスのキャラクターもいい。ちなみに自分はヘルボーイ役のロン・パールマンの大ファンなのだけど、この人は本当にハマり役だと思う。体格も顔もそのまんまなんだもの(笑)

最近はアメコミ原作映画のラッシュで、様々なものが映画化され、中には外れもあったりするが、正統派ヒーローものの「スパイダーマン」、リアリティ溢れる暗さでリニューアルされた「バットマン」、これまたリアル系おじさんヒーロー「アイアンマン」、などと比べても、この「ヘルボーイ」はかなり特殊な部類に入るだろう。上記の「スパイダーマン」などのような、いかにもヒーローが大活躍する物語を想像すると、ちょっと拍子抜けしてしまうかもしれない。しかし、どちらかというとファンタジー寄りだと思って、その独特の造形美を堪能すれば満足できることは間違いない。ちなみに、自分はアメコミ原作のヒーローもののなかでは一番好きなシリーズだ。
今作は、オカルト要素を減らしてしまったせいで原作のもつディープな雰囲気がややなくなってしまったのが残念だったが、その代わりデル・トロ節を思う存分堪能できたので大いに満足。それと、ヘルボーイが猫好きな設定のせいで、相変わらず猫がたくさん出てくるのがイチイチ可愛くて嬉しいです(そして驚きの演出も・・・ 笑)。

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アイアンマン

2009年03月20日 18:42

MARVEL産アメコミが原作の、ヒーローものアクション。巨大軍事企業の社長であり、スゴ腕発明家である主人公トニー・スターク。ある事件がきっかけで、自らアイアンスーツを開発し、それを着て悪と戦うアイアンマンとなるのだった。
・・・「悪と戦う」ってところは、今作に関しては微妙に語弊があるのだが、そのへんはあまり書くとネタバレするので、とりあえずいかにもな無難な書き方にしておきます。本当はもっとすったもんだあるのよ。言っちゃったらつまんなくなりそうだから書かないけど。詳しくは本編を観ろ!

そんなわけで、ちょっと書くだけでネタバレしそうなぐらい、プロットがちゃんと出来ている。どんでん返しもバッチリ。126分とこの手の映画にしては長尺だが、それを感じさせないぐらい飽きずに楽しめるところは凄い。
この作品はアイアンマンがいかにして生まれたかという、バットマンで言う「バットマン・ビギンズ」のような位置づけ。なので、実際にアイアンマンが大活躍ー!するのは多分次作からと言った雰囲気がむんむん。なのでみんなが楽しみにしているアイアンマンが大暴れなシーンは意外と少なく、そこを期待したら物足りないかもしれない。ただし、アイアンマンが生まれる過程はとても丁寧に描かれており、また、とてもユニーク。最近のヒーローものラッシュのなかでは、まず当たりと言って間違いない。

とにかく面白いのが、アイアンマンの正体はおっさんだってこと。おっさんですよ?普通シャイな青年だったりして、それがまたヒーローとしての自分との葛藤などで思い悩んだりするのに、おっさんは至って単純明快。自分の信念(?)でもってまっしぐら。とにかくそれを貫き通すために独りでチマチマアイアンスーツつくる。おっさん、頭いい!そんでもってとうとう飛行成功!おっさん、空を飛ぶ!もう、これだけで必見です。ロバート・ダウニーJrはかなりハマり役だと思う。
またその主人公のキャラクターも良くて、軍事企業の社長なだけあって、女遊びは大好きだし、ギャンブルはやるし、だけど台詞も何事もスマートで、なんだか今までの典型的なヒーロー像とのギャップが凄い。バットマンの正体も金持ちの御曹司だけど、優等生タイプのあちらとは対照的。悪そうなおっさん好きの自分としては、かなり好きなキャラクターだったことは間違いないです。「ハンコック」でもそうだったけど、必ずしも現実世界で優等生タイプがヒーローである必要なんてないんだよね。

また、基本全てが科学の力でつくられ、超常的要素が(一応)全くないため、メカニックの描写が多いのだが、そのへんのデザインが秀逸。特にトニーが自室でアイアンスーツを製作する際の、ホログラムのインタフェイスは目新しかった。もちろんアイアンマンそのものもほぼフルCGなんだろうが違和感なし。人が乗り物に頼らず空を飛ぶ、その感じも妙にリアルに出ていて良い。

ともあれこれでアイアンマンの生まれる過程はじっくりわかったわけだから、次回からいよいよ本領発揮ってことか。次回が楽しみ。エンドクレジットのあとに伏線のようなオマケがついているので、エンドクレジットで止めないよう注意!

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ハンコック

2009年02月07日 01:38

ダメダメなスーパーヒーローハンコックのお話。

前半、スーパーヒーローな力を持ちつつも、あまり人々に愛されていないハンコックの姿はある意味リアルで面白い。実際スーパーヒーローがいたらあんなもんかもしれない。コスチュームを着る必然性も全くないしね!(バットマンとかスパイダーマンみたいな生身なヒーローは除く)
ちなみにハンコックの能力は、ほぼスーパーマンと同様と思って頂ければ。
後半になり、意外な展開とともに話は一気に進む。どうやって話を進ませるのかと思いきや、意外としっかりプロットがあったのね(失礼)。そしてストーリーも一気にシリアスに。と同時にちょっとテンション下がり気味。若干こじつけ?なところもあるし。

個人的には前半のダメダメハンコックをもっと観ていたかった。今までのヒーローもののブラック・パロディのようで痛快で良い。ちゃんとオチや意外な展開があるところは評価するが、若干尻すぼみなのは否めない。次回作に期待・・・って、これじゃ次回作は普通のヒーローものになっちゃうしなあ。

ポップコーン食べながら気楽に楽しむには最適。過剰な期待はしないほうがいいかも。前半部は楽しくってしょうがないけどね!

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