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ハリー・ポッターと謎のプリンス

2009年07月22日 01:18

超有名ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズ第6作目の同名映画化作品。ちなみにシリーズは全7作で原作は完結済み、最終章となる7作目「ハリー・ポッターと死の秘宝」は来年2010年秋に前後編に分かれて公開予定。原作は全作既読、過去作品(映画)も全て鑑賞済みなうえでのレビューとなります。

物語はハリーがホグワーツ魔法学校6年生になり、ダンブルドア校長がハリーの元に訪れるところから始まる。ダンブルドアはハリーに頼みごとがあると言うのだが・・・。
それと同時に闇の魔法使いが大っぴらに行動を始め、マグル(普通の人間)の世界にまで侵食してくる。闇の魔法使いたちを束ねるヴォルデモード卿を止める手段は果たしてあるのだろうか。

3作目「アズカバンの囚人」からようやく本筋突入の気配を見せ、4作目「炎のゴブレット」で急展開、5作目「不死鳥の騎士団」でいよいよ物語の大きな流れが動き出した、その続きとなり最終章への布石とも言える、重要なポジションとなる今作。そういった流れから言っても、もはや過去作を観ていない人にはどう考えたってついていけない内容なのは確か。まず、少なくとも前作を、できれば過去作品全てを、さらに望むべくは原作を既読のうえ鑑賞するのをオススメします。

というのも、原作は最終章「死の秘宝」に並ぶボリュームの2冊組みなのに対し、映画は2時間半と長尺なれど1本に収まっている。つまり、相当量のエピソードが割愛されているということ。
原作をかなり最近に読破済みの自分としては、ストーリーが既に頭の中に入っているから、映画を観ながら「ああー、ここは映像になるとこんな感じなんだ」などと楽しむ余裕があったが、果たしてそうでない人にとって意味がわかるのか、若干不安に感じるところがあった。第6作目ともなると、過去作品に張られていた伏線の回収や、その拡大、また、過去に登場したガジェットなどが数多く登場し、その割にはそれらの解説が省かれているため、全てを楽しむためにはそれらを完璧に理解してから鑑賞する必要がある。
だが、今までの映画作品だけでは説明不足なところもあり、結局原作をちゃんと読んでいないと完全には楽しめないつくりになっている。これはどうかと思った。全世界で膨大な売り上げを誇った原作だから仕方がないのかもしれないが、これは「原作を読んだ人があらためて映画を観て楽しむ」映画に他ならない気がした。

もちろん原作は映画と比べても相当面白いし、原作を読んでから映画を観るという楽しみ方は確かにあるので、余裕がある人は原作を是非読んで欲しい。逆に言えば、来年公開される最終章を観る際に、原作を読んでいるのといないのとでは感動が全く違うのは確かだろう。

というわけで、ストーリーには原作つき映画にありがちな、やや強引な展開、説明不足なところが目立つが、グラフィックはかなり美麗。話が進行するにつれ、最初の頃の明るいファンタジーから一転してどんどんダークなタッチへ変わってきたところでの今作は、色調から言って、とにかく暗い。その暗さが現状の不穏さを一層掻きたてダークファンタジーとしての雰囲気は抜群。作中登場する「憂いの篩」の、水のなかに墨を垂らしたような演出もその雰囲気とマッチしていて美しい。
その暗さの中に、ハリーたちホグワーツ生徒の、思春期ならではの学校生活のゴタゴタが、一抹の明るさを醸し出している。ただ、原作だとそれプラス、ハリーの年齢相応の悩みや葛藤がかなり描かれていたところを、長さ上の問題からか削られてしまっているところは相変わらずもったいないところ。

何はともあれ、このシリーズはやっぱり原作を読まないと駄目なんだなーと再認識させられた一作。次回作は映画も前後編ということで、なるべく細かいエピソードが割愛されていないことを望む。

(同シリーズの別の記事)
ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

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ミラーズ

2009年07月12日 18:58

元刑事のベンは、ニューヨークのとある建物の夜警として勤務し始める。そこは過去大火災に遭ったデパートで、今もなお当時の状態のまま残っている。ある晩、フロアに印象的に飾られた大鏡に触れたとき、ベンとその家族に悪夢のような出来事が次々と降りかかってゆく・・・。

タイトルそのまんま、鏡モノサスペンスホラー。火災に遭ったデパートに残された鏡の謎を解き明かしつつ、その鏡の中に潜む何者かと対峙してゆくというもの。主演はキーファー・サザーランド。観てないけど「24」で一躍有名になりました。でも個人的にはやっぱり「スタンド・バイ・ミー」の不良なわけで。その頃よりは老けたけど、顔はやっぱり変わらないのね、とか思いつつ。

焼け焦げたデパートの雰囲気やオカルトチックなギミックは、どうしても「サイレントヒル」を彷彿としてしまう。なんだか至るところで似たようなシチュエーションが満載。そのため目新しさ皆無。しかも鏡を使ったホラーだというのに、なんだかイマイチ一貫性がない。詳しく書くとネタバレしまくるので書きませんが、この映画内での「鏡」というものがどういう役割であり、どういう意味を担っているのかの理由づけがその場によってバラバラで、そのためストーリーに統一感が欠けている。「鏡」をテーマにしているからには、そこが一番重要なポイントな筈なのに、そこがバラけていて明確でないため、全体的に矛盾が残る。

タッチやテイスト>「サイレントヒル」のパクりっぽい
ストーリー>矛盾だらけ
というわけで、結論を言えばイマイチな出来。「鏡」という複雑なモチーフを敢えて使うのならもっと考えるべき。エンディングはそこそこ捻りが効いた演出だが、全体的な骨子が滅茶苦茶なので残念ながら全く引き立ってない。ちょっと違うがパラレルワールドものホラーで言えば、前述の「サイレントヒル」や「エルム街の悪夢」のほうがよっぽどよくできていた。

唯一斬新だったのは、某登場人物の殺され方。あれはなかなかショッキングでした。でもよく考えたら、誰かが殺されるシーンってあれともう一箇所しかないのか。ちょっと少なすぎない?(ホラーにしては)

そういうわけで、少ないけれどもグロ描写はがっつりあるのでグロ苦手な人は注意。
ただ、全体的なテンポや映像は特に問題ないので、矛盾さえ気にならなければ、そこそこ楽しめるかかもしれません。作品としてはかなり致命的な矛盾ではありますが。まあ、「ショッキングな殺されシーン」がどうしても観たい人じゃなければ、他にもっと良作ホラーはあるので、個人的にはそちらを鑑賞することをオススメします。

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デビルズ・バックボーン

2009年06月03日 00:24

先日観た「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」に引き続きギレルモ・デル・トロ作品。そういえば観てなかったので。2001年製作のスペイン映画。

1930年代スペイン内戦下、人里離れた荒野に建つ孤児院に、一人の少年がやってきた。彼の名はカルロス。内戦で両親が戦死したのでここへと連れて来られたのだった。到着したその夜から、怪しげな声や人影を見るカルロス。どうやらこの孤児院には幽霊が出るという噂が。そして、彼のあてがわれた12番ベッドをかつて使っていたという、サンティという少年とは・・・。

「パンズ・ラビリンス」と同様、スペイン内戦下を舞台にした、ギレルモ・デル・トロ作品のなかではシビアな系統に入るストーリー。どうやらデル・トロって、「ミミック」や「ヘルボーイ」のような、軽快なアクションに持ち味のビザールさを潜り込ませたエンタメ路線と、今作や「パンズ・ラビリンス」のような、重い現実をファンタジーと融合させた、シリアス路線の二つの路線があるようだ。自分は「パンズ・ラビリンス」で一気にヤラれたクチなので、こういったタッチのほうが好き。なので、大変満足でした。デル・トロ作品のなかでは「パンズ・ラビリンス」に並ぶぐらい好きかも。もちろん「ヘルボーイ」も好きだけどね。

お話は一言で言ってしまえば幽霊ものなのだけど、普通のホラーと思って観ると拍子抜けしてしまうだろう。メイキングで監督自ら語っているとおり、本作はファンタジーであり、そしてそのファンタジーを引き立たせるような重厚な人間ドラマが一番の主軸なのだ。怖いというよりは、悲しい。そんな趣は、後に「パンズ・ラビリンス」を撮る監督の、一貫した主張を伺わせる。「デビルズ・バックボーン」という、いかにもなタイトルに惑わされるなかれ。

ファンタジーとは何なのか、という、「パンズ・ラビリンス」で突きつけられた主張がこの映画にも込められている。過酷な戦時下、しかし、その戦争は大人たちが起こしたもので、子どもたちはいつもその犠牲となり、振り回されている。そんな汚い大人の思惑と、純粋がゆえにそれへと立ち向かう強さを持つ子どもたち。それは、手段や状況こそ違えど「パンズ・ラビリンス」の主人公の少女と同じだ。そして、物語は「パンズ・ラビリンス」とは対称的な終わり方を迎える。まるで対になった物語のように。
デル・トロの凄いところは、その過酷な現実への、ファンタジーという非現実的要素の絡ませ方だ。ファンタジーとは時として明るく楽しいものばかりではない、そしてそのファンタジーを生み出すものも結局は人間であるということ。そして現実を動かすのも、結局は人間の感情以外の何者でもないということ。幽霊は、そこにいるけれども、何かを起こしているのは結局人間なのだ。
そういった大人のエゴが存分に描写され、それと対称的に子どもたちの純粋さが引き立っている。この監督は子どもの描き方が上手いなあとつくづく感じた。そして、その周りを取り巻く大人たちのドラマも奥深い。

全体的に地味なお話だが、それでもデル・トロっぽい美術の秀逸さは健在。まず、何と言っても幽霊の表現がいい。そして、タイトルにもなったホルマリン漬けのアレとか、義足の院長など、不穏さを掻きたてるガジェットも豊富だ。メイキングを観ると、ここでも極力CGを使わずアナログでつくり上げているらしく、デザインまで監督自ら手がけているとのこと。そういったセンスがあればこそ、この重厚なファンタジーにも説得力が生まれているのだろう。

ただのホラーと侮るなかれ。ホラーやファンタジーと綿密に絡み合わせた、現実の過酷さを描く、悲しい人間模様を描くドラマだ。

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